オーナーフォトグラファーの考え方

Owner Photographer

写真は、会う前の印象をつくります。

だからこそ、盛るのではなく、その方らしさがきちんと伝わる一枚をつくりたい。

リクルートフォトスタジオ フォトグラファースタッフ Hoshina

「口角は上げたほうがいいのでしょうか」
撮影をしていると、毎年のように聞かれます。

でも、口角を上げれば明るく見える、というほど単純ではありません。笑顔がよく似合う方もいれば、少し落ち着いた表情のほうが知性や誠実さが伝わる方もいます。

新卒の就活写真と、転職写真でも違います。新卒の方には、清潔感だけでなく、素直さや伸びしろが伝わることが大切です。転職の方には、若く見せることよりも、経験や落ち着きがきちんと伝わることのほうが大切です。

撮影の前に、その方を見る

僕は、撮影を始める前の会話を大切にしています。何に応募するのか。どんな写真が苦手なのか。顔の左右差、髪型、年齢の見え方など、気になっていることは何か。

同じ照明、同じ角度、同じ表情を全員に当てはめても、その人に合う写真にはなりません。顔の向き、首、肩、目線、口元を少しずつ整えながら、その方が自然に見える場所を探します。

レタッチは、顔を作り変えるためではない

証明写真では、普段は気にならない目や眉の高さ、輪郭、口元の左右差が目立つことがあります。まず撮影時の位置で整え、それでも残る写真上のゆがみを、必要な範囲だけ補正します。

別人のように盛ることは、僕たちの仕事ではありません。撮られたご本人が見て、「自分だけれど、きちんとしている」と思える。そのくらいが、就活写真や転職写真にはちょうどいいと考えています。

これなら提出できる、と思える一枚を

企業経営者のプロフィール、航空会社の客室乗務員向けセミナー、現役国会議員の選挙ポスターなど、第一印象が重視される撮影にも携わってきました。ただ、一般のお客様の証明写真も、僕にとって重さは同じです。

撮影される方にとっては、その一枚が就職や転職の入口になります。慌ただしく終わらせず、撮ってよかったと思っていただける状態でお渡ししたい。その気持ちは、今も変わりません。

もっと詳しく見る

就活写真をどこで撮るか迷っている方へ、もう少し率直にお話しします。

この文章を読んでいる方は、「就活写真をどこで撮ろうか」と考えている就活生、転職・再就職希望の社会人の方、あるいはそのご家族だと思います。

最初に、忖度なくお話しします。

写真館はたくさんあります。就活写真を専門に掲げる店もあれば、全国展開しているチェーン店もあります。リクルートフォトスタジオは、約15年前、アパートの一室から就活写真の撮影を始めました。多くの就活生に支えていただき、現在は本店と下北沢店の2店舗を運営しています。

なぜ、撮影者が顔を出して話すのか

では、なぜ僕が顔を出して、わざわざこのような話をするのか。

「プロのフォトグラファーが撮影します」と書かれていても、実際に誰が撮るのか、どのような考えで撮っているのかは、ほとんど分からないからです。

就活写真を撮る機会は、人生の中で何度もあるものではありません。そのため、多くの方は比較する材料を持っていません。しかし実際には、写真館によっても、担当するフォトグラファーによっても、仕上がりはまったく違います。

美容室を想像すると分かりやすいと思います。同じ美容室でも、自分に合う美容師もいれば、そうではない美容師もいます。技術だけではなく、こちらの希望を理解する力や、似合う形を見つける感覚にも差があります。写真撮影も同じです。

写真は、どこで買っても同じ商品ではありません。たとえば、同じブランドのチョコレートなら、A店で買ってもB店で買っても、中身は同じです。しかし写真は違います。誰が、どのように見て、どの瞬間にシャッターを切るかによって、結果が変わります。

だから、僕が撮影した写真を気に入ってくださった方は、転職やプロフィール写真などの機会に、何年かたってから再び来店してくださいます。友人や先輩から紹介されて来てくださる方も少なくありません。

広告ではなく、実際に撮影を受けた方から次の方へつながっていく。僕は、これが本当の口コミだと思っています。

「証明写真は簡単」という人を、僕は信用しません

僕自身、これまで多くのフォトグラファーを採用してきました。その中には、長年の撮影経験があっても、「証明写真は簡単ですから」と言う人がいます。

率直に言えば、僕はそういう言葉を聞いた時点で、そのフォトグラファーを信用しません。そして実際、そのような考えで撮影された写真は、お客様から高い評価を得られないことがほとんどです。

証明写真は、とても難しい撮影です。

基本的には正面を向き、服装もある程度決まっている。大きくはしゃいだ笑顔も適していません。背景も構図もシンプルです。

自由度が低いから簡単なのではありません。自由度が低い中で、その人らしい表情、清潔感、知性、誠実さ、意志の強さを表現しなければならないから難しいのです。

しかも、それはフォトグラファーが一方的につくるものではありません。限られた時間の中で会話をし、緊張をほぐし、表情や姿勢を整えながら、お客様とフォトグラファーが一緒につくり上げていくものです。

初めて写真館で証明写真を撮れば、仕上がった写真を見て「きれいに撮れている」「これで十分」と思うかもしれません。しかし、ほかの写真を知らないだけかもしれない。

もっと自然で、もっと本人らしく、見た人に好印象を与える写真があるとしたら、それを見てみたいと思いませんか。

就職は、毎年気軽に変えるようなものではありません。多くの人にとって、人生の大きな節目です。これまで何万人もの方を撮影してきましたが、皆さん真剣です。だから、撮る側も同じくらい真剣でなければならないと考えています。

ネット上の就活情報を、すべて信じなくていい

今は、インターネットやYouTube、SNS、就活ブログなどに、さまざまな情報があふれています。

「女性のスキッパーシャツは避けるべき」
「銀行志望の男性はストライプのネクタイを着けてはいけない」

本当に、そこまで単純な話でしょうか。

僕が撮影した方の中には、スキッパーシャツで国家公務員総合職試験に合格し、面接も通過した方がいます。ストライプのネクタイを着けて、都市銀行に入行した方もいます。

服装に何の配慮もいらない、という意味ではありません。しかし、シャツの襟の形やネクタイの柄だけで、採用結果が決まるわけではありません。

インターネットには、もっともらしく見える情報が大量にあります。ところが、誰が書いたのか、何を根拠にしているのか分からないものも多い。必要以上に不安をあおる情報に振り回され、自分らしさを失ってしまう人もいます。

それは、とてももったいないことです。

容姿が整っていることだけが、良い印象ではない

人には必ず、良いところと、そうでないところがあります。

就活では自己分析をします。しかし自己分析とは、誰かと比べて、自分にものすごい実績があるかどうかを探す作業ではないはずです。

目立った実績が見つからないからといって、「自分には何もない」「自分は駄目だ」と考える必要はありません。大切なのは、自分がどのような人間で、何を大切にし、どのように仕事と向き合おうとしているのかを知ることです。

写真も同じです。容姿が整っていることだけが、「良い印象」ではありません。

  • 誠実そうに見える。
  • 話をきちんと聞いてくれそうに見える。
  • 落ち着いて仕事に取り組みそうに見える。
  • 自分の考えを持っていそうに見える。
  • 転職の方であれば、経験や実績、信頼感が裏付けできるような印象である。

そうした、その人が本来持っている良さが自然に伝わること。それが、就活写真における良い印象だと僕は考えています。

就活写真を、必要以上に難しく考える必要はありません。ネット上の細かな情報に振り回されるのではなく、自分の良さがきちんと伝わる写真をつくる。まずは、そこからシンプルに考えてみてはいかがでしょうか。

リクルートフォトスタジオ
オーナー/フォトグラファー 星名

気になることを、撮影前にお聞かせください

写真が苦手な方も、他店で撮った写真を撮り直したい方も、ご希望を伺いながら進めます。