この記事のキーワードは、
< 証明写真> < 背景 > < 無背景 > < 正解 >< グラデーション > です。
証明写真 の 背景 について
証明写真 を 撮影するときにはじめて気づくこと。
【 背景色 はどうしたらよいのか? 】
常日頃、証明写真と縁がないからこそ、知らないことも多いもの。今回は、証明写真の 背景 について解説いたします。
解説者 Jun Hoshina
リクルートフォトスタジオ チーフフォトグラファー。
長年、多くの就活生や転職希望者の方と接し、多くの人がもつ「証明写真に関する悩み」について、どうしたら納得できる形で解決できるのかを研究。
大手企業での勤務経験もあるため、実際の仕事の現場や人事の現場での経験を通して、お客様へのアドバイスをしています。
早大卒。愛知県出身。
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写真スタジオで使用される背景は、いろいろあります。
昔も今も、写真館やフォトスタジオは「節目」の記念日などで使用することが多く、日常では頻繁に通うことのない場所です。(もちろん、写真を残しておくことが好きで、頻繁にスタジオに行っている方もいるのでしょうが、全体からみればごく稀でしょう)
写真館でも、昔ながらの写真館では、記念撮影用のバックドロップ背景(背景布)が数種類備えられていることが多いです。例えば、すこし茶系のものや、やわらかいピンク色のイメージのものだったり、次のような大きな布背景です。
(引用)プロショップ東映堂 様 布製バックスクリーン 3×7m パターングラデーション
また、当スタジオのように広告撮影などを行っているスタジオでは、バックペーパーを使用する機会が多くなります。
証明写真では、紙製のバックペーパーを使用しているスタジオもあれば、証明写真専用のプラスチック製のバック紙を使用しているところもあります。リクルートフォトスタジオでは、グラデーションの入った、プラスチック製の証明写真専用バックを使用しています。
以上、写真撮影で使用する背景にも用途や目的によっていろいろあることがお分かりいただけたと思いますが、これを前提に証明写真の背景は何が正解なのか、についてお話します。
証明写真 の < 無背景 > < 無地 >とは? 何が正解?
答えから申し上げるとすれば、第一の<正解>は、証明写真の提出先の写真規程にあります。
筆者も、お客様に相談されて、さまざまな提出先の写真規程についてみてきていますが、だいたいこんな感じなのではないでしょうか?
・撮影された顔のサイズが適正なもの
・6カ月以内に撮影したもの
・正面・無帽・無背景・影のないもの
・カラーでも白黒でも可
・サングラスや前髪などで目が隠れるなどしていないもの
・証明写真機、または写真屋等で撮影されたもの(ご自身で撮影された写真をPC等で加工・プリントしたものは不可)
- 最近6ヶ月以内に撮影
- 正面、無帽、無背景のもの
- 白黒の写真でも可
<無背景>とありますね。日常ではあまり使用しない言葉です。
このほかよくあるのが、<無地>です。
また、その後に追加で、<グラデーション不可><青色のみ><背景白>などと追記してある場合もあります。
どうしたらよいのでしょうか?
まず、無背景も無地もほぼ同義です。
<無背景><無地>の場合は、人物の後ろに別の物の映り込みや、柄がないことを示します。その為、色は一般的な証明写真の背景の色であれば大丈夫です。
ですので、グラデーションの場合でも、無背景・無地となる場合がほとんどです。
グラデーション背景がNGな場合の多くは<グラデーション不可>との記載があります。
色が、白でなければならない場合は、<背景白のみ>、青背景でならない場合は<青背景>などと指定があります。
こうした白だの青だの色指定は、客室乗務員の証明写真に多いです。
証明写真 の < 無背景 > < 無地 > についてのまとめ
<無背景><無地>・・・人物のうしろに柄や別の物の映り込みがなければ、原則、色は、一般的な証明写真の背景であれば何色でもよい。原則、グラデーションでも大丈夫。
応募先に写真規定があれば、その規定に従うことが大前提。
< 無背景 >であれば、色は何色でも大丈夫なのか?
<無背景><無地>についてはご理解いただけたと思います。
それでは、無背景・無地の場合に、何が正解なのか?と尋ねてくるお客様もいらっしゃいます。
先ほど申し上げました通り、第一の正解は、応募先の写真規程です。写真規程で、<青背景のこと>と記載があれば、その通りに提出すべきです。
しかし、そういった規定がない場合は、意外に< おすすめ >という言葉で左右されてしまう人が多いようです。
一般的には、イメージとして<白が無難>という方もいらっしゃいますが、青指定の提出規定もあったりすることから、無難とは言い切れないと思います。スタジオで働く身からすれば、白背景で一色で撮影してもらえれば、背景紙をかけ替える手間が省けますし、安いうえに、かけ替える回数が減ることで背景紙も傷みません。一概には言えないとは思いますが、そうしたスタジオの都合で<おすすめ>が決まってしまうことも多いように思います。
リクルートフォトスタジオでは、もちろん各色の背景を用意しており、お客様のご希望があればかけ替えて撮影をいたしますが、現状、ライトブルーで撮影のリクルートフォトプランのお客様には、背景色変更を施したホワイト・ライトブルー(ブルー)、グレーの3色のデータをお渡ししています。
しかし、一番はライトブルーのグラデーション背景がおすすめです。
これには、理由があります。
- 背景色によって、パッと見たときの印象が変わる。ライトブルーは、明るく爽やかで清潔感のある印象をもたらす。
おすすめしているのは、グラデーションの薄い水色の背景ですが、免許証などで使用される濃い単色の水色背景とはイメージがガラッと変わります。特に、新卒の方には、ライトブルーをおすすめしたいところです。
過去に某大学の就職課の注意書きに「可能であれば明るいブルーで写真は撮影してもらってください」と書いてありました。その学校ではおそらく、色の持つ印象効果を心得てのことだと思っています。
50代も過ぎて、管理職などでご転職を希望されている男性などは、ライトブルーでももちろん大丈夫ですが、グレーなどの落ち着いた色合いでも風格やこれまでのご経験の印象が強調できます。
そんな「背景色」なんて、なんでもいいよ!そんな色の効果なんて、信じないよ!とお思いのあなた。
日常でも、色によって人はいろいろな印象や感覚の変化を起こしていることが多くあります。
たとえば、お風呂のタイルの色。タイルが、赤系であれば温かい感覚になりますし、タイルがブルー系であれば涼しげな感覚になります。冬に赤い系のタイルのお風呂に入れば温かさも増すそうですが、ブルー系のタイルのお風呂に入ったとしたら、体感的に寒く感じてしまうのが、人間の実際なんだそうです。
このように色がもたらす効果というのは、意識をしない分、想像以上に大きかったりします。
証明写真の背景色は、何色がベストか?
新卒の方は、色指定がなければ迷わず、ライトブルー。ご転職で40代~はグレーでも風格が漂う。
この記事は、リクルートフォトスタジオ の長年の 証明写真 撮影で得た経験や研究に基づいています。無断での複写 ・ 転載は禁じます。