※このブログは「本店」より配信しています。また、左右非対称のゆがみ補正は「リクルートフォトプラン」「エアラインアナウンサープラン」のみとなります。
就活証明写真で、いちばん多いご相談のひとつが「顔がゆがんで見える気がする」です。
筆者としては、ここはまず安心していただきたいのですが、結論から言うと――人の顔はだいたい非対称です。左右が完全に同じ顔の人は、まずいません。
写真撮影って、よく「感覚」「感性」というイメージが付きまとうかもしれませんが、そういったものも「論理」が前提になっています。写真でもいろんな分野がありますが、フォトグラファーで感性や感覚の良い人は、そうした「論理」を体や経験で身に着けています。
だた、それを言葉に落とそうと思うと、難しかったりすることもあります。
だから、皆様が抱えている証明写真についての悩みや疑問を、論理的に筆者は解説したいと思うのです。
当店でよく見かける証明写真のお顔の左右差は、大きく分けて次の2つです。
① 片側が“上に引っ張られている”タイプ
目の高さ、眉の高さ、頬の位置が、左右でほんの少し違う。
どちらか片方が、上にキュッと上がって見えるパターンです。
・片側の眉が少し高い
・片側の目が少し開きやすい
・片側の頬が少し高い
こういう差が出ます。
② 顎先が“左右どちらかへズレる”タイプ
・顎(あご)の先が、中心からわずかに左右へ寄って見える。
・顎元~フェイスラインの左右差として表れます。
・顎先がほんの少し右(または左)に寄る
・片側のフェイスラインが強く見える
・口元の中心が微妙にずれるように見える
・片方の口角だけが上がって見える
先天的? 後天的?(どっちもあります)
もちろん骨格として生まれつきの差もあります。
でも筆者が現場で感じるのは、後天的な要素もかなり大きい、ということです。
・片側だけで噛むクセ
・姿勢(首の傾き、肩の高さ)
・利き手側に寄る体の使い方
・スマホの見方、頬杖、バッグの持ち方
つまり、左右差は「その人の生活習慣の履歴」みたいな面もあります。
だからこそ、その人らしさでもあるんです。
【来店される方の99%が“左右差”を気にしている理由】
これは本当に体感としてそうで、ほとんどの方が気にしています。
ただ、筆者がいつもお伝えしているのは――
対面で話しているとき、相手はあなたの左右差をほぼ気にしていません。
なぜか。
人は“動いている顔”を見るとき、無意識にこういう先入観で見ています。
・右目と左目はだいたい同じ形
・笑うときは左右の口角がバランスよく上がる
・表情は全体でまとまって見える
・実際の顔は、話す・笑う・目が動く・光が変わる。
だから脳が「表情全体」を処理して、細かい左右差はノイズとして消してくれます。
長年、たくさんの老若男女の「真正面顔」を撮影してきた筆者から見れば、ここが「普段は気にならないのに、写真だと気になる」最大の理由だと思っています。

ところが、真正面の“静止画”だけは別です
証明写真は、まさにこれ。
・正面
・静止
・どこも動かない
・表情変化が少ない
・しかも「評価される写真」だと思って見る
この条件だと、人間の目は優秀なので、ほんの数ミリの左右差でも見分けてしまう。
普段は気にならないのに、写真だと急に気になる。
これはあなたが神経質なんじゃなくて、静止画の構造上そう見えるのだと筆者は断言します。
【リクルートフォトプランのレタッチは「別人にする」ためではありません】
ここは誤解されやすいので、明記します。
当店のリクルートフォトプランのレタッチは、別人に作り替えたり、形を変えていく「修正」とはまったく違います。
目的はひとつで、本来“対面で見たとき”に近い印象に整えていくことです。
対面では、表情が動き、光も変わり、相手の脳が良い意味で補正して「自然に見える」状態になっています。
ところが写真は止まってしまうので、その補正が働かず、左右差だけが目立ちやすい。
そこでリクルートフォトスタジオは、写真の中で過剰に強調されてしまった左右差を、“対面で見ているときの自然な見え方”に戻す方向で整えます。
<具体的に「戻していく」補正とは>
やることはシンプルで、
・片側が上に引っ張られている差を 少し戻す
・顎先のズレを 中心に寄せる
・全体のゆがみのバランスを “整って見える”ところまでゆがみを戻していく
つまり、本来の形は変えずに、写真の中でバランス良く見える状態に「ゆがみ」を補正するということです。
別の言い方をするなら、
「あなたの顔を変える」のではなく、
「対面で見える状態とは異なり、写真が勝手に強調してしまったクセを、対面の見え方に寄せて整える」。
就活の証明写真は“印象の設計”が大事です。
左右差が強く見えると、本人の魅力とは関係ないところに視線が吸われます。
それを防ぎ、本来の表情や清潔感に目がいくように整えます。
<「写真で写したまんま」が、必ずしも本来の姿とは限りません>
ここも、筆者が本店で撮影時によくお話しするポイントです。
実はこの“ゆがみ”の補正は、別の意味で スピード写真機の中でも常に行われています。
スピード写真機は、構造上 レンズと被写体の距離が近いことが多く、また 広角寄りのレンズで撮影している場合が少なくありません。
この条件だと、撮ったままの画像は、顔の周辺(特に端の部分)が引き伸ばされたり、輪郭が膨らんだりして、かなり「ゆがみ」を感じる絵になりやすいんですね。
そのため、多くの機械は内部で後処理を行い、レンズ由来の歪みを自動で“戻す”補正をしています。
ところが、この補正は万能ではありません。
・体の向きが少し斜めだった
・目線の合わせ位置がズレていた
・カメラより少し近づきすぎた/遠ざかりすぎた
・椅子の高さや姿勢がズレていた
こういう条件が重なると、補正が良い方向に働かず、結果として 本来よりも膨張して見える、あるいは 輪郭が不自然に見えることがあります。
皆様もありませんか? ボックスの写真機で撮ったら、なんだかお顔が思ったより膨張して見えてしまったこと。
筆者としては、これは「補正が悪い」というより、補正の前提条件(撮影姿勢や距離)が合っていなかったために、良い方向に補正が向かわなかった例だと思っています。
つまり――
写真は“写したまんま=真実”ではありません。
レンズ・距離・角度・補正処理の影響を強く受けるので、「写真でそう見える」ことと「対面でそう見える」ことは一致しない場合があります。
だからこそ、当店のレタッチは「別人化」ではなく、
対面で見た印象に近づけるための“整え”として、必要なところだけを丁寧に戻していきます。
ただし、“完全シンメトリー”は目指しません
ここ、かなり大事です。筆者としては、この話を省きたくありません。
顔が100%シンメトリーになると、
不思議と表情が消えて、能面みたいに近寄りがたい無表情に見えます。
「整っているはずなのに、冷たい」
「美人なのに、お高くとまって見える」
こういう印象を抱かれやすい人がいるのは、
左右差が少なすぎて“動き”が感じにくいことが理由のひとつです。
<アシンメトリーは、実は“表情”を作る>
左右非対称は欠点というより、表情の材料でもあります。
わかりやすい例がウインク。左右差があるからこそ「表情」が成立します。
リクルートフォトスタジオでは、撮影で、可能な限り左右差が気にならない位置を心がけて撮影をします。
そのため、「思ったよりそのままでよかった!」と感じる人も多く、若干アシンメトリーの方が表情豊かに見えることから、その写真に最終決定されるかたもいらっしゃいます。
・片側の眉が少し上がる → 意志やニュアンスが出る
・片側の口角が少し上がる → その人らしい笑い方になる
・目の開きに差がある → 優しさ、柔らかさが出ることもある
だから、私たちの補正は「均一化して無表情にする」方向ではなく、“表情は残して、写真としてのバランスだけ整える”方向なんです。
<あなたらしさは残して、写真で損しない状態にすることが第一>
・顔は基本、非対称
・動いている顔は気にならない
・真正面の静止画は左右差が目立つ
・さらに写真はレンズ・距離・補正処理の影響を受けるため、「写したまんま」が本来の姿とは限らない
・就活写真では、その“目立つ分”だけ整えると得をする
・ただし完全シンメトリーは表情を消す
・アシンメトリーは表情の源でもある
・レタッチは別人化ではなく、対面で見た印象に近づけるための整え
就活証明写真は、上手に作ると「素の自分」よりちゃんと強くなります。
これは“盛る”ではなく、写真が作ってしまう偏りを正す作業です。
顔を変えるのではなく、写真の中で損しない設計にする。
リクルートフォトスタジオではそのためのレタッチを行っています。

